教室の風景

Nさんは歌川廣重の晩年に描かれた「名所江戸百景・浅草田甫酉の町詣」の摺りです。名所江戸百景は、ぼかしが多用されており、摺るのが難しい作品ですが、空の藍色、富士山の周囲にある朱色のぼかしを綺麗に摺り上げています。

岡野さんは地墨版に丸鑿を入れる作業をしています。細かい線がある地墨版は小刀を入れた絵を削らないように丸鑿を入れるのが大変です。順目を意識し、絵を削らないよう丁寧に彫られています。

岡倉さんは桜の版木の稽古彫りです。小刀を入れている鹿子模様はサイズが小さく線が細いため、真ん中にある小さな点を残すのは難しいですが、きちんと残して彫り進めています。

東さんは彫り上げた地墨版の校合摺りをしています。校合摺りとは色版の版下につかう地墨線を摺る作業です。
地墨線の段階では枠線だけなので、どのような作品になるか予想が難しいですが、完成が楽しみですね。