冨嶽三十六景

葛飾北斎

「物干に富士や拝まむ北斎忌」。これは、たしか、荷風氏の句てあったと記憶する。北斎といえば、すぐに富士を連想する者が多いのは、彼の傑作『冨獄三十六景」中の「凱風快晴」や「山下白雨」による所が少くないと思う。凱風南より吹いて、綿のような白雲が空一面に鱗羅布列したなかに赤裸の富士が矗として聳起しているだけの図てあって、「丹嶂聳空無過烏」 という李頻の詩を想わせる。 そうしてまた、鱗雲は雨の兆といわれているが、「山下白雨」の「焼富士」ては、もう、山腰に電が閃き、下界は大夕立となっている。江戸の俳人、何代目かの高井立志の句に「半分は江戸のものなり富士の雪」というのがある。北斎も『冨獄三十六景』四十六枚のなかのかなり多くのものを江戸の富士として画いている。北斎・広重の二大風景画家のなかで、北斎は束海道五十三次の画家としては遙かに広重に劣るが、 富士三十六景の絵師としては断然広重を凌駕している。 前芸術院長 高橋誠一郎

このページに掲載している浮世絵を購入希望の方はお問い合わせ下さい。

一部在庫切りとなっていますので予めご了承ください。


凱風快晴

2. 江都駿河町三井見世略圖

3. 御厩川岸より両國橋夕陽見

4. 身延川裏不二

5. 遠江山中

6. 本所立川

甲州三嶌越

8. 東都駿臺

9. 常州牛掘

10. 武州千住

11. 神奈川沖浪裏

12. 江戸日本橋

13. 山下白雨

14. 青山圓座枩

15. 深川万年橋下

16. 甲州伊沢暁

17. 尾州不二見原

18. 東都浅艸本願寺

19. 五百らかん寺さざゐどう

相州江の嶌

21. 隠田の水車

22. 相州箱根湖水図

23. 上總ノ海路

24. 礫川雪ノ旦

25. 従千住花街眺望ノ不二

26. 隅田川関屋の里

27. 武陽佃嶌

28. 下目黒

29. 甲州石班澤

30. 東海道品川御殿山ノ不二

31. 諸人登山

32. 相州七里濵

相州梅澤庄

34. 相州仲原

35. 駿州片倉茶園ノ不二

36. 信州諏訪湖

37. 駿州江尻

38. 東海道江尻田子の浦略圖

39. 甲州犬目峠

40. 登戸浦

41. 武州玉川

42. 甲州三坂水面

43. 東海道程ケ谷

44. 駿州大野新田

45. 東海道金谷ノ不二

46. 東海道吉田